フレキソ印刷とは、凸版印刷方式(印版の凸部にインキを乗せて紙に転写する)の一種です。
印版の材料には弾性のある合成樹脂を使用して、主に段ボールや紙袋の印刷に使われています。
印刷機専用のキャリアシートに貼り込み、輪転部分に巻き込み固定して印刷します。
他の印刷方式に比べて印版コストが抑えられることも特徴のひとつです。
フレキソ印刷は基本的に水性インキを使用するため環境にやさしく、環境問題に関心の高いヨーロッパでは包装分野において目覚ましく成長していますが、わが国では環境優位性を理解しつつもシェア拡大は緩やかです。近年印刷技術の向上により高精度な印刷が可能となってきたため、今後の需要拡大が期待されています。
フレキソ印刷とは
樹脂版とは
従来、段ボール等のフレキソ印刷ではゴムの板を版画のように印刀で彫っていく、「手彫りのゴム印」と呼ばれる印版が主流で、熟練した職人によって彫られていました。
現在は樹脂に紫外線を当て、加工する「樹脂版」が主流です。
樹脂版には大きく分けて液状版と固形版の2種類があります。
液状版
製版方法
液体の樹脂を高精度に加工された平面ガラス上に均一に広げ、同等の平面ガラスで樹脂をプレスします。
ネガフィルムごしに紫外線を当てると紫外線の当たった箇所の樹脂(文字や絵)が硬化し印刷版となります。
紫外線の当たっていない箇所は液状のままなのでそのまま回収して再利用されます。
特徴
- 高再現キャップの加工により細字を綺麗に印刷しやすい。
- 紙粉の離脱性に優れている。
- 高精度平面ガラスの制約上、国内では長さ約1300mmまでの印刷版に限定される。
固形版
製版方法
まず、レーザー描画機(CDI)を用いて樹脂の表面に施されているブラックレイヤーの画像形成したい部分のみを焼き飛ばします。
その後、露光機で紫外線を当て溶剤で洗浄すると紫外線の当たっていた箇所は溶剤に溶けることなく残り、紫外線の当たっていない箇所は溶けて無くなります。
当たった箇所の樹脂(文字や絵)が印刷版となります。
溶剤に溶け込んだ樹脂は蒸留回収機にかけて溶剤だけを回収して再使用し、濃縮してスラッジとなった樹脂は産廃処理をします
特徴
- インキの乗りが良好なため、ベタ印刷がしやすい。
- 長さ2mの印刷版でも製造が可能